地域で起こした「パン・革命」【“驚異のロングセラー商品”誕生のヒミツ】

リバティーフーズでは「おいしさ」を追求するために日頃から製法の細かな部分にまで注意を払っている。そんなこだわりによって、同社はさまざまなテクニックを持つに至ったが、それは大ヒット商品の開発にも大いに役立っているのだ。
“驚異のロングセラー商品”こしあんマーガリン

誕生の背景には不景気があった!?

88円の売価で、270週以上にわたって売れ続けている“驚異のロングセラー商品”がある。それは、リバティーフーズが自社で開発・発売している『こしあんマーガリン』。こんなに売れているのに全国的にはあまり知られていないのは、このパンは同社がデリバリーを担当する地域(茨城と栃木)でしか買えない限定商品だからだ。

「『こしあんマーガリン』を発売しようと考えたのは、5年ほど前のこと。当時はちょうどリーマンショックの影響が日本にも波及していて、巷で“コンビニのパンは高い”という声を聞き、やってやろうと思った」と鳥山社長は、このパンが開発された当時の様子を語る。

コストがかけられないから、製法を見直してみた

「最初から売価はできるだけ低く抑えたいという考えがあったので、開発にコストはかけられない。そこで思いついたのが、既存の商品をアレンジして新しい商品を生み出す、という方法でした」

リバティーフーズでは既存の商品と同じ生地を使い、それを“工夫した焼き方”にすることで、もっとおいしいパンにしようと考えた。具体的には焼き上げるときに生地内部の水分が逃げないような工夫を凝らしたので、同じ生地を使った既存の商品よりもふっくらとした仕上がりを実現することに成功したのだ。そして、こしあんとマーガリンを入れることで、中身をボリューム感豊かに。こうして、シンプルながらも十分に味とボリュームで勝負できるパンが完成した。

そのシンプルな味に魅せられたプロの料理人も!

「一般的に“おいしいモノ”は、“おいしい材料”と“おいしい材料”との足し算によって生み出されると考えられているようですが、私は、おいしいモノを作るのに適した材料に、その良さを生かすような製法をあてはめてやれば、(おいしい材料同士の足し算ではなくても)きっとおいしいモノは完成すると思っているのです。この

こしあんマーガリンは、私のそうした考えを実証した商品とも言えるのではないでしょうか」

ちなみに、このこしあんマーガリン、東京にある某有名イタリアンレストランのシェフも大ファンだという。ただ、東京では買えないため、茨城に来た時にはまとめ買い、ひっくり返してレンジで温めると、さらにおいしい・・・とか。

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