セブンイレブンのオリジナルパンは、日本全国で同じ商品が販売されています。しかし、作り手である私たちの立場から言うと、(商品名は一緒でも)それらはまったく同じではないのです。
たとえ同じレシピで同じパンを作ったとしても、パンに優しく接した方が、できあがってくるパンはおいしくなります。
食の世界では、「職人のワザ」という言葉がよく使われます。これは調理をする際、職人は経験に裏付けられた勘を働かせて他人には真似のできない味を実現する、といったニュアンスで使われますが、私たちは、そのニュアンス、“さじ加減”を個人技ではなく、パン製造に携わる社員に横展開させることに挑戦。さらに、製造する際の温度、時間、計量が常に一定となるように、設備面からの見直しも図っています。これらが当社独自の「おいしさ」を生み出します。
職人ワザを数値化することができれば、「職人の手作りパン」を超えるおいしさを持つパンを工場で量産することができます。さらに、「こんなパンを開発したら、きっとお客様に喜ばれる」といったアイデアの面でも個性を発揮することができれば、リバティーフーズは会社としてワンランク上へと進むことができるでしょう。
実際、こうした未来へ向けての取り組みはすでに始まっています。製粉メーカー様などに協力していただくことで原材料の面からパン作りを見直し、工場の設備も改修して、製造工程もさらに吟味。こうしたハードウェア面での準備は着々と進んでいるので、あと必要なのはソフトウェア面を充実させる――斬新なアイデアを出していただける人材を確保する――ことだけなのです。
人生の意味を問いかける『解放塾』
「価値ある人生を送るには、前もって目標を決め、それを段階的に実現していくことが大切」。当社が社員教育の一環として実施している『解放塾』では、上記の考えに基づいた講義が行われます。社名の『リバティ』から名づけられたこの社内塾は、あくまでも社員一人ひとりの人間的な成長を促すためのもの。すでに60名近くが受講していますが、参加した社員はいずれも人生を前向きに考えるようになった様子。これが結果的に会社全体にも好影響を与えればベターだと私たちは考えます。